オフィスにインターネット回線を引きたい・防犯カメラや電話設備を導入したい――そんなときに必要になるのが電気通信工事です。
現代の企業活動や日常生活において、通信設備は欠かせないインフラのひとつ。この記事では、電気通信工事の基本的な意味から、工事の種類、具体的な作業内容、そして工事に必要な資格や依頼時のポイントまで、わかりやすく解説します。
電気通信工事とは?
電気通信工事とは、情報の伝達や通信に関わる設備の設置・配線・調整・保守を行う工事のことです。簡単に言えば、情報をつなぐためのインフラ整備を行う仕事です。
より詳しい定義や工事の基本は 電気通信工事の基礎知識と業務内容 でも解説されています。
代表的な対象設備:
- インターネット・LAN回線の配線
- 電話回線やビジネスフォンの設置
- 防犯カメラ・監視システムの構築
- テレビ共聴設備・地デジ・BS/CS
- インターホン・ナースコールシステム
- 通信基地局や無線設備の設置
電気工事と電気通信工事の違い
混同されがちですが、電気工事と電気通信工事は目的が異なります。
区分 | 主な目的 | 代表的な作業内容 |
---|---|---|
電気工事 | 電力の供給・配線 | コンセント工事、照明設備、分電盤設置など |
電気通信工事 | 通信・情報伝達の構築 | LAN工事、電話回線工事、防犯カメラ設置など |
「電気を使うけれど、目的は情報のやり取り」と覚えるとわかりやすいでしょう。さらに 電気通信工事と電気工事の違い を読むと整理できます。
電気通信工事の主な種類と具体例
1. LAN工事・ネットワーク配線工事
- オフィスや学校、工場などでLANケーブルを配線し、ネットワークを構築
- ハブ、ルーター、PoEスイッチなどの設置も含まれる
- Wi-Fi環境の整備も含めた総合的な対応が可能
2. 電話回線工事
- ビジネスフォンやIP電話の設置・内線構築
- NTT回線やクラウドPBXとの接続設定
- 複数拠点での一元管理にも対応
3. 防犯カメラ・監視システム工事
- 監視カメラの取り付け、録画機・NVRの設置
- 遠隔監視・スマホやPCからの確認にも対応
- カメラ映像の保存期間や画質も自由に設計可能
4. テレビ共聴・アンテナ工事
- ビルやマンションでの地デジ・BS/CS放送の受信設備構築
- 複数の居室に分配する共聴設備の設置
- 障害対応・受信感度の最適化も実施
5. インターホン・ナースコール工事
- 集合住宅や施設のインターホン交換
- 病院や介護施設でのナースコールの導入・更新
- 呼出音・通知方式・通話品質の調整などにも対応
電気通信工事に必要な資格とは?
◎ 電気通信工事施工に必須の国家資格
- 電気通信工事施工管理技士(1級・2級)
現場監督や設計・見積もりに関わる専門資格。一定規模以上の公共工事では有資格者が必要。 - 工事担任者(AI・DD総合種など)
電話やデータ通信設備をつなぐ作業に必要。NTTの加入電話回線や企業内PBXの工事に必須。 - 第二種電気工事士
通信機器に付随する電源工事が必要な場合に取得が望ましい。
電気通信工事の依頼時にチェックすべきポイント
- 専門業者かどうか確認する → 通信設備は専門知識が不可欠なため、電気工事業者ではなく通信工事専門業者を選びましょう。
- 見積もりは複数社から取る → 内容や価格の比較ができ、相場感も把握しやすくなります。
- アフターサポートの有無 → 保守契約・トラブル対応など、設置後のフォロー体制を事前に確認しましょう。
電気通信工事のメリット
- 通信環境の安定性アップ・ネットや電話が安定し、業務効率が向上
- セキュリティ向上・防犯カメラや入退室管理の導入で安全対策
- 将来の拡張に柔軟対応・LANや配線を整理しておけば、設備更新もスムーズ
- 見た目がスッキリ・ケーブルが整理され、オフィスや施設の美観向上にもつながる
まとめ・電気通信工事はつながるを支えるプロの仕事
- 電気通信工事は、現代の通信インフラを支える重要な工事
- LAN、電話、防犯カメラ、テレビ共聴など多岐にわたる分野で活躍
- 資格や専門知識が必要なため、信頼できる業者への依頼が必須
- 通信環境の整備・更新を検討しているなら、早めの相談がおすすめ